専門家の考察
苫小牧の海岸を約15キロにわたって埋め尽くした「毛ガニの抜け殻」は、一見すると不気味な光景だが、生物学的には「生命の躍動」を象徴する圧倒的な現象である。
毛ガニ(学名:*Erimacrus isenbeckii*)はクリガニ科に属し、実はカニの中でも比較的原始的なグループに位置づけられる。彼ら甲殻類にとって、硬い外骨格を脱ぎ捨てる「脱皮」は成長のために避けては通れない命がけの儀式だ。今回特筆すべきは、これが死骸ではなく、中身が空の「脱皮殻(だっぴがら)」である点だ。つまり、この背後には、脱皮を無事に成功させて一回り大きくなった「生きた毛ガニ」の巨大な群れが、今も海中に存在していることを示唆している。
なぜこれほど大量に同期したのか。甲殻類には、水温の変化などをトリガーとして集団で一斉に脱皮を行う性質がある。これは、外敵に襲われやすい脱皮直後の「軟殻(ソフトシェル)」個体が集中することで、種としての生存率を高める戦略(捕食者飽和)とも考えられる。
この異景は、特定の海流や波の条件が重なり、比重の軽い殻だけが効率的に運ばれた結果だろう。海底で毛ガニの個体群が健やかに成長している証左であり、将来的な資源量を知る上でも極めてポジティブな「生命の痕跡」といえる。
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約15キロにわたり「毛ガニの抜け殻」が大量漂着 苫小牧周辺の海岸を埋め尽くす異景 専門家「漂着前に脱皮したと判明」さらなる詳細調査へ – Yahoo!ニュース
Source: Yahoo!ニュース
Published: Mon, 16 Feb 2026 08:59:13 GMT
約15キロにわたり「毛ガニの抜け殻」が大量漂着 苫小牧周辺の海岸を埋め尽くす異景 専門家「漂着前に脱皮したと判明」さらなる詳細調査へ Yahoo!ニュース

